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[PARIS, FRANCE]

ALIVE : GUTAI, Postwar avant-garde art movement and modern punk SHODO

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2024.6.6(木) - 7.20(火)

12:00 - 19:00

Closed:日曜・月曜

​L'atlas, Paris

4, cour de l’Île Louviers, 75004 Paris, France

この展覧会は、具体美術協会で活躍した堀尾貞治(1938 - 2018) と、現在最も注目されている現代書家のハシグチリンタロウ(1980-)の二人展である。堀尾は、2016年にイベント会場で使用された壁面廃材を加工して作り上げた大小様々な1000枚のパネルを使用した、絵画を6日間で書き上げる。一方、パンクロック影響を受け、現代書家井上有一の「書は万人の芸術である」という言葉に感銘を受け作品制作を開始したハシグチは、高価な筆を捨て、タオルを使って大型の作品を身体いっぱいで制作する。混沌とした現代において自身の葛藤から目をそらさず真理を求める二人の芸術家の姿は、衝撃を与えてくれるであろう。

 

1960年代半ばから具体美術協会のメンバーとして堀尾貞治は、特別ではない日々のルーティーン「あたりまえのこと」の中に芸術の真理を求めるようになる。代表作である「色塗り」は、一日一色一本のアクリル絵の具を選び、アトリエ中にぶら下げられた作品に塗り重ねていく。作品には、塗り始めた日と振り終えた日が記されている。また、「一分打法」は毎朝30枚ほどを一分でかきあげる平面作品。今回出展する「千号千点シリーズ」は「千号サイズの絵を描きたい」という本人のイメージから「千点なら可能だろう」と2016年に、奈良に芸術家仲間が集結し、イベント会場で使用された壁面廃材を加工して作り上げた大小様々な1000枚のパネルに、即興的に描きつけて制作。

 

作品からは、アーティストの生きるエネルギーと日々の活動に裏打ちされた深い思索がみられ、廃材に新しい息吹をあたえ、見るものを圧倒する。同シリーズは財団によって2023年にレゾネが発刊された。

 

一方、堀尾が一生の主題を求め始めた1985年、ハシグチリンタロウは長崎に生を授かる。パンクロック影響を受け、幼少期から始めた書を用いて、言語化できない日々の感情を、独自の記号で書きなぐるように制作を始める。現代書家井上有一の「書は万人の芸術である」という言葉に感銘を受け、高価な筆を捨て、身近なタオルを使って大型の作品を身体いっぱいで制作する姿が特徴的だ。

 

ハシグチ、そして46歳年上ではあるが堀尾も、その日々の思想や着想を膨大なノートに書き綴る。世代の違う二人の稀有な芸術家たちは実際には出会うことなく、しかし多くの類似点を持つように思う。生きる痕跡としての芸術の姿を存分に現している作品の数々は今も生き続けている。戦後の前衛芸術にも影響を受けたというハシグチリンタロウ作品が、前衛芸術運動家として生き抜いた堀尾貞治作品と共に会場を埋め尽くす。混沌とした現代において自身の葛藤から目をそらさず真理を求める二人の芸術家の姿は、問いと抗いとして私たち現代人の眠っている野生を呼び覚ますような本質的な衝撃を与えてくれるであろう。

ハシグチリンタロウ

​Lintalow Hashiguchi

Courtesy of Rebecca Fanuele

堀尾貞治

​Sadaharu Horio

Courtesy of Rebecca Fanuele 

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