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佐藤貢 Mitsugu Sato (1971-)

Artist

佐藤貢は大阪芸大を中退し、衝動に駆られ、アパートの鍵も開け放したまま中国からアジア諸国と放浪の旅へと出かけた。

生死を何度も彷徨い、自らの前世の追体験のような旅路を辿ったという。

帰国した後、1998年に和歌山の海辺に流れ着き暮らし始める。最初の数ヶ月は、浜辺の宿の軒先や岩の上をねぐらとし、徐々に屋根と壁のある" 家 "へと移り住んでいった。

 

「必要なものは向こうからやってくる。」何世紀にもわたり、裸一つで砂漠を旅するアボリジニーのネイティブがそう語り継いでいるという言葉を思い出し、画材を買うために働くのではなく、目の前に現れる漂流物を拾いあげ額縁の材料に平面制作を始めた。いつしか額縁が絵画を浸食し始め、漂流物が作品全体を構成する様になる。

 

「漂流物を拾ううちに、自分そのものが漂流物であることに気付いた。」と佐藤貢は言う。

海辺を離れ街の雑踏の中で暮らす現在も彼のスタイルは変わらない。拾い、そして創る。

私たちが見捨てたものへ、見捨てられたものの中へ、何を受けとるのか、ただ無心になって創り続ける。

 

そうして、生まれてきたのか、もうずっとそこに横たわっていたのか不可思議な時を重ねたその創造物に私たちはただただ、自分自身に答えを問う様に無心に魅せられるのだ。

 

 正木なお

1971 大阪に生まれる

1992 大阪芸術大学美術学科中退

1994 中国よりアジア諸国、アメリカ、中南米諸国などを放浪

1998 和歌山市へ移住後漂流物を用いて作家活動を再開

2005 第1回個展 iTohen(大阪)、PANTALOON(大阪)

      巡回企画展 lim Art(東京)

      企画展「月がほしい。」SEWING TABLE COFFEE(大阪)

2006 第2回個展 iTohen(大阪)

      巡回企画展 colonbooks(名古屋)

         巡回企画展「朝」SEWING TABLE COFFEE(大阪)

2007 第3回個展「Waltz」iTohen(大阪)

      巡回企画展 森岡書店(東京)

2009 第4回個展 PANTALOON(大阪)

      巡回企画展 gallery feel art zero(名古屋)

2010 第5回個展 iTohen(大阪)

      Art Court Frontier 2010#8(大阪)

2011 グループ展 自然の産婆術 MAIEU TlKE 野生の創造 馬喰町ART+EAT(東京)

      第6回個展 iTohen(大阪)

      個展 gallery feel art zero(名古屋)

2012 グループ展 森岡書店(東京)

      グループ展 ポジション2012名古屋発現代美術〜この場所から見る世界 名古屋市美術館(名古屋)

2021 奥能登国際芸術祭

Gallery NAO MASAKIにて

<個展>

2009 「佐藤貢展」

2011 「佐藤貢展」

2016 「揺らぐ形」

2019 「108 Crosses」

2020 「ALIVE_生きる様相、生まれくる表現」

<企画展>

2012 「アーティストによる家具展」

2013「 The book as ART」

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