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執筆者の写真naomasaki

【NAGOYA ART COLLECTION 2024 出展[佐藤貢個展]のご案内@名古屋, 旧ボストン美術館】


Gallery NAO MASAKIは、明日11月2日土曜日から開催されます「NAGOYA ART COLLECTION 2024」に参加いたします。

今回は5年ぶりとなる佐藤貢の個展形式で、新作を中心に108crossesシリーズの立体作品、ドローイング作品をご紹介

いたします。佐藤貢の世界を堪能できるこの機会、新たに始まる名古屋でのアートフェアへぜひお越しください。


 

 

《Untitled》

佐藤貢

2001

紙、インク

142×175mm


目の前には混沌とした世の中があるように、その混沌は自分の中にもある。

世の中では役目を終えて、捨てられて、見向きのされなくなったもの。そういうものこそ、自己の意識を投影する鏡のような存在であるように感じている。


佐藤貢 Mitsugu Sato


 

《108crosses No.22》

佐藤貢

2024

ミクストメディア

560×340×104mm


108 Crosses 集積する形=宿る精神


先日、「Perfect Days」という映画をみた。ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演のこのフィルムの主人公は、大都会東京でトイレ掃除を生業にしている男の話である。大都会の町並みに埋もれた小さな昭和の木造アパートに暮らすこの主人公がひっそり粛々と日々を重ねる姿は慎ましく、独自の美学をもった生き様は清々しいほど美しい。この人物の描写に毎日昼の休憩中にトイレ掃除のルートにある神社のベンチに座り、木漏れ日の差した木々を見上げ写真を映すという行為がある。主人公の集積したモノクロームの写真と同じように、この世界と「彼」という人物の存在、彼を通して見える、外的、内的な光と闇のコントラストが印象深く心に残った。役所広司の名演に感嘆しつつ、同時にある人物を思い出さずにはいられなかった。


美術家、佐藤貢は大阪芸術大学を中退後、内面世界を這いつくばるようにしてインドや中国を旅し、自己の精神の崩壊した後、和歌山の海辺にたどり着く。最初は住まいもなく岩場や建物の軒下で暮らしていた彼が、その人の魅力に惹きつけられた人たちの縁もあり、屋根と壁のある家で暮らすまでとなる。それから飛んできたトタンや海辺に漂流した廃棄物を拾いメディアとして作品へと昇華させていく。作品たちが家の壁中いっぱいを占拠するようになったころ、友人たちの紹介で訪れた大阪の画廊主が驚き2005年の初個展を皮切りに現在にいたる。


現在、三重県に暮らす佐藤貢の作品のマテリアル[漂流物]は海辺のものだけではない。彼の周囲に落ちている、あるいは捨てられた[ゴミ]である。しかしは彼はそれを漂流物と呼ぶ。誰からも見向きもされなかったものたちは、はじめは役割もあり、そして捨てられ朽ちたものなのだ。

「漂流物を拾ううちに、自分自身が漂流物であることに気づいた」と佐藤は言う。そうかもしれない…我々は誰しも道なき道を生き、答えのない日々を生きる。それはどんなに順風満帆に見えても、当て所もないさすらいの旅であることに違いないのだ。


今回発表する、2016年から続いている「108 Crosses」のシリーズは、小さな作品を含めたそれぞれが、百八つの十字架で構成されている。その十字架はくちた金属などを叩き伸ばし、磨き作られる。それはその人物の背景となる日々の選択の集積こそが祈りであり、ゴミを昇華させ、作品たらしめ、場を変容させる力を備えるのであろう。


Gallery NAO MASAKI  正木なお

 

佐藤貢

Artist

 

1971年大阪生まれ。大阪芸術大学美術科中退後、中国よりアジア諸国、アメリカ、中南米諸国などを放浪。生死を何度も彷徨い、自身の数奇な人生を綴った『旅行記・前編/後編』が出版され話題を呼ぶ。帰国後、1998年、和歌山市へ移住。漂流物を用いて作家活動を再開。2005年に大阪での個展を皮切りに東京、名古屋などで 展覧会を開催。作品制作のために材料などを購入する一切せず、漂流物や廃棄物など作家自身の元に集まってくるものを使って作品を制作。「漂流物を拾ううちに、自分こそが漂流物であることに気がついた。」と佐藤は言う。現在、三重県在住。


1999~毎年、年に一度 和歌山市にてグループ展に参加

2005 第1回個展(大阪 北区本庄:iTohen、中津:パンタロン)  巡回企画展(東京 渋谷区恵比寿南:lim Art) 企画展/月がほしい。(大阪 枚方市星ヶ丘:SEWING TABLE COFFEE)

2006 第2 回個展(大阪 北区本庄:iTohen)  巡回企画展(愛知 名古屋:コロンブックス)  巡回企画展/朝(大阪 枚方市星ヶ丘:SEWING TABLE COFFEE)

2007 第3 回個展/ Waltz(大阪 北区本庄:iTohen)  巡回企画展(東京 日本橋茅場町:森岡書店)

2009 第4 回個展(大阪 北区中津:パンタロン)  巡回企画展(愛知 名古屋:gallery feel art zero 現Gallery NAO MASAKI)

2010 第5 回個展(大阪 北区本庄:iTohen)

2011  グループ展/自然の産婆術 / MAIEUTIKE  野生の創造(東京 東神田:馬喰町ART+EAT)  第6 回個展(大阪 北区本庄:iTohen)  vol.34 企画展(愛知 名古屋:gallery feel art zero 現Gallery NAO MASAKI )

2012 グループ展 森岡書店(東京)  グループ展 ポジション2012  名古屋発現代美術~この場所から見る世界  名古屋市美術館(名古屋)  グループ展「アーティストによる家具展」 gallery feel art zero (現Gallery NAO MASAKI 名古屋)

2013 グループ展「The book as ART」  gallery feel art zero (現Gallery NAO MA SAKI 名古屋)

2015  二人展「日常、あるいは非日常の風景」  生物 × 静物 叢/小田康平 ・ 佐藤貢  gallery feel art zero (現Gallery NAO MASAKI 名古屋)

2016 個展「揺らく形」gallery feel art zero (現Gallery NAO MASAKI 名古屋)  個展 森岡書店(東京)  グループ展 電気文化会館30周年記念事業  「THE NEXT」次代を創る10人の表現者たち  グループ展 ギャラリー矢田Live vol. 20  「あいちからの発信/発進」 -あいちから世界へ-

2018 個展( ボヘミアンズ・ギャラリー 東京)

2019 「108 crosses」 @Gallery NAO MASAKI 名古屋

2020 「ALIVE_生きる様相、生まれくる表現」堀尾貞治・佐藤貢 @Gallery NAO MASAKI 名古屋

2021  奥能登国際芸術祭2020+ 出展


 

NAGOYA ART COLLECTION 2024

 

【日時】2024.11.2(土) - 11.4 (月) 

    VIP プレビュー:2日, 11:00 - 14:00

    一般公開:2日, 14:00 - 18:00

         3日, 11:00 - 19:00

         4日, 11:00 - 17:00

【入場】¥1000 (当日に限り再入場可)

【会場】 旧名古屋ボストン美術館 

     愛知県名古屋市中区金山町1-1-1

【出展作家】

 佐藤貢

 

その他詳細はNAGOYA ART COLLECTION 2024のウェブサイトへ

 

作品のお問い合わせ・ご購入はメールなどからでも可能です。


 

「NAGOYA ART COLLECTION 2024」について

 

今年、将来的に文化芸術をキーワードに再開発を控えた金山地区において、名古屋市と地域のアート支援をミッションとするクリエイティブ・リンク・ナゴヤがアート・プロジェクト「アートリンク金山」が実施されます。これに賛同したプライマリーギャラリーが集結し、旧名古屋ボストン美術館という絶好のロケーションでアートフェア、「NAGOYA ART COLLECTION 2024」を開催します。

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