vol.45
太陽系時空間地図 地球暦
2012.5.26-6.3
この時代を生きるすべての人たちへ
銀河の風に吹かれながら、およそ109億年の旅を続ける光の球体、太陽。
産声をあげてから46億年、らせんの軌道に刻み込まれた記憶、今、物語の真ん中に立つ、地球号。古代より、天地の動きを映し出してきた暦は、その時代の中に息づき、社会の中で呼吸してきた。計時法を生み出したイランイラクのあるメソポタミア、天のひつじを束ね星座を作った羊飼いの古代カルデア。60進法を確立したシュメール、高度な天文観測のためのジグラットを築いたバビロニア、社会の規律となり浸透していったローマ帝国、近代カレンダー地位を確立したバチカンを中心としたカトリック。
世界にはユダヤ暦、ヒンズー暦、チベット暦、イスラム暦などのさまざま信仰と暦。また、密林の中で高度に磨かれたマヤ暦や、日本をはじめとする太陰暦の国々。そして「時計」は、1秒をさらに細かく細分化し、正確さはクォーツ時計から、セシウム原子時計となり、この瞬間も電波に乗って、社会に時の鐘を鳴らしている。
いまや、正確さは自然以上に確立され、私たちは生まれながらに「時間」の中に生きている。
時間とは一体なんだろうか。
一人にひとつの宇宙(ソラ)があり、この銀河(ウズ)の中で、太陽(ヒト)として生きる
古来から日本人は、月の満ち欠けや節気など、暦に基づいた生活を大切にしてきました。
太陽や月が、季節の移ろいを伝えてくれること、それを暮らしの中に取り入れることで、自然と調和しながら生きる術が、生命活動(生活)と知っていたからです。地球暦の基本は、今までの暦と同じですが、大きく違うことは地球の上から太陽を見上げるのではなく、太陽の方から地球を見る視点で現在の時を感覚することです。地球号の動きを感じ、ともにめぐりて回る惑星の運行を感じながら、太陽系全体を眺めることで、広く大きな視野に立ち、今を感じてみましょう。地球暦は、使い方も感じ取り方も自由です。
銀河から愛をこめて この贈り物を手にする方へ
地球暦は、私たち人類が太陽を通じて一つの輪となり、新たな時代に、新たな時間を生きるための共通認識として創造しました。元来、暦とは時間の概念であり、自然のサイクルをもとに考えられていますが、それは同時に人が作るものです。
水や光は、すべて無償の愛のようにただそこに存在し、与えられています。地球暦という壮大なテーマも、個人の価値観を超え、次の時代へとつながる私たちの子どもたちと、未来の地球のために“ただそこにあるもの”である、という強い思いから、今を生きる一人の人間として、この作品を自主制作し、無償配布しています。また、持続して制作を続けるために、作品を受け取ってくださった方からご寄付を頂き次の人たちへと配給していくかたちをとらせていただいています。
作品には個人名を一切省き、わたしからあなたへの『贈りもの』としてお渡しています。
この直感芸術が、あなたからはじまる次の宇宙へと、つながっていけば幸いです。
杉山開知