vol.85
篠原猛史 Takeshi Shinohara
プロトコルの過程的逆算
2015.9.12-9.27
篠原猛史は人類の思考やその起源を深く見つめ、創作を通してアクションに変換してきた現代美術家である。
古代ギリシア、パピルスで作られた巻物の最初の1枚目をprotokollonと呼び、「プロト」は「最初の」、「コル」は「糊」の意味を指した。
思えば文字を書き記すことの起源とも言えるこの行為は、現代に通じる世の中の通念的概念を決める、はじまりの一歩だったともいえる。
慌ただしさを覚える現代時間の中、いつの間にか自らの思考が停止し、世の中の決めごとによって動かされているような気がする時がある。
ふと立ち止まって、大きな流れに立ち向かって思考を変換してみることは、未来から眺めるならば、新しい時代の一頁を創りだす、小さくも偉大な第一歩に違いない。
正木なお
篠原猛史 ー Takeshi Shinohara
1951 京都市に生まれる
1978 渡米(~81)
1981 Pratt Arts Institute修了
1982 ベルギー公費留学
2005 スウェーデン公費留学、デンマーク公費留学
〈近年の主な展覧会〉
1986 バーゼル国際アートフェア (バーゼル/スイス)
1989 南アフリカの風と土 (アクラ/ガーナ)
2005 Circulation+Undulation (オールゴールデン美術館/スウェーデン)
2006 篠原猛史ービオトープの場ー展 (美濃加茂市民ミュージアム/岐阜)
2007 サイクル+リサイクル展 (愛知県立美術館/名古屋)
2008 behind the seen アート創作の舞台裏 (東京大学博物館)
2010 「音を知る」芸術 (愛知青少年公園/名古屋)
2011 ヘルシンキの芽 (ヘルシンキセンター/フィンランド)
2012 フライ・トウ・ザ・ムーン (ニース:スカラストループギャラリー/デンマーク)
2013 ウェイビー・バーナーズ展 (ボールゲン美術館/デンマーク)、ウェーブ展 (ハムラム美術館,ソーンダール美術館/デンマーク)
他、世界各地で展覧会多数開催
gallery feel art zero (現Gallery NAO MASAKI)にて
<個展>
2009 Circulation + Unducation;循環と波動
2011 buds in Helsinki ヘルシンキの芽
2012 イメージの世界 コレクションを中心に
2013 Derivation:自転の起源
<企画展>
2015 カタチ、あるいはうまれる前 コレクションを中心に2
something new, with feel art 10