vol.99
蔡筱淇+吉川公野 Kimiya Yoshikawa&Hsiao-Chi Tsai
色空塑 SHAPE OF THE AIR
2017.2.25-3.12
極楽鳥のように色とりどりで美しく軽やかなカタチ。
彼らの作品は大きさもフォルムも色彩感覚もまったくもって新しい。まるで未来次元の世界に迷い込んだような感覚。一見奇抜にも見えるが、見れば見るほどピースフル。二人の創作の根底にもあるポジティブとネガティブは言い換えると陰と陽の世界。空は世界のあらゆる事象に共通する気配のようなものだとすると、彼らの華やかな作品たちは自由と平和のフラッグのようにシンボリックに空を描き、刻んでいく。サイトスペシフィックと呼ばれる“特定の場所でその場所の特性を考慮し作られる”作品を生み出し続ける、このキュートな二人のアーティストたちは、きっと未来はもっともっと美しく楽しく自由に輝くのだ…とユーモラスに旗を翻している気がしてならない。
正木なお
Hsiao-Chi Tsai & Kimiya Yoshikawa
蔡筱淇(ツァイ・シャオチー) ・吉川公野(よしかわ きみや)
世界的に名を知られるロイヤルカレッジオブアートで台湾出身のツァイ・シャオチーはテキスタイルを、日本、愛知常滑出身の吉川公野は彫刻を学び、2006年に終了した後、共同制作を始める。2007年のHarvey Nichols(ハーヴェイ・ニコルズ)のショーウインドウ7面を飾り上げた作品「Futuristic Flowers」など、数多くのコミッションと展覧会をヨーロッパ、東南アジアなどで開催。ロンドンチャイナタウンでの野外常設作品The Lionは2009年度のイギリス内での卓越したパブリックアートとしてマーシュアワードを受賞。昨年2016年11月にはロンドンウエストミンスター国会議事堂の正面に建つセントトーマス病院に27メートルの可動性をもつ立体作品2点を設置。国内外で発表を続けている。