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hikariwomatou

2023.6.17(土) - 6.25(日)

Open : 13:00 - 19:00

Closed : 火曜・水曜

色は、光 植物の命の色 光をまとう

 

 色はすべて、光から生まれています。光がなければこの世は闇であり、色は存在しません。地上にあまねく満ちる光によって命は育まれ、多様な世界が目に見えるものとなるのです。

そして植物こそ、光と命の結合です。花の色、葉、根、果実は、本質的に光から生まれています。草木染めとは、植物の命の色です。

光は直接まとうことはできません。しかし、植物の命の色でつくられた服をまとうことによって、「光をまとう」ことができるのです。

いま私たちは、不安定で先の見えない時代に生きています。だからこそ、自然を肌で感じ、優しく包み込んでくれる服が必要なのではないでしょうか。

 

   東京コレクションで活躍する服飾ブランドmatohuと、人間国宝志村ふくみの芸術精神をを継承する染織ブランドatelier shimuraは、共同で「hikariwomatou  光をまとう」というシナジェティック・ブランド(synergetic brand)を始めます。お互いのポテンシャルを最大限に生かした「相乗作用のブランド」です。草木で染めた糸と、心を込めた手織布を用いて、現代の生活に寄り添う新鮮なデザインの服を提案します。すべて注文を受けてから1点1点、染めて、織り、縫製いたします。

光という恵みから生まれた本当に特別な一着に、ぜひ出逢いにきてください。

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「hikariwomatou」という時間軸の長いプロジェクトの始まりは数年前に逆戻る。


服飾ブランド「matohu」の堀畑さんと関口さんとはかれこれ20 年近くのご縁になる。日本・文化という切り口でコレクションを発表し続けているお二人の近年は、日本中のものづくりの現場へと旅をする中から生まれている。そして、日本を代表する染織家である志村ふくみさんの哲学を継承した、志村昌司さん率いる京都の染織工房「atelier shimura 」、この両者が協働する新しいブランドの立ち上げに際して、足掛け3 年、貴重なお話を聞きながら、そのプロセスを垣間見ることとなった。京都の志村さんのエ房に足を踏み入れた時の、あの繊細で神々しいまでの糸の清らかさ、光を蓄えたその美しさに心が震えたあの瞬間を今も鮮明に思い出す。こんなにも豊かで美しい植物の色しかなかった時代、やはりそれらは宝であったに違いない。誰もが毎日扱えるものでもなく、だからこそとても貴重で、ハレの日のものであり、特別な階級やシチュエーションのためのものであった。そんな美しさに、いつしか人々はイミテーションでもいいからと色に焦がれるまでとなり、今や人工的な色ばかりがあふれ、我々、現代人は本当の色というものをほとんど知らない…という時代にまでに至る。時代の流れの中で致し方ないのかなとも思う。しかし、せめて、この本末転倒な時代に、本当の色を知り、触れ、纏い、愛でる。そして悠々とした時間と重なることが少しでもできたなら、本当に豊かで革新的なことであろう。通常は和装で展開するatelier shimuraの糸と布がmatouによって長着やジャケットとなって現れる。衣服、テキスタイル、布、糸、蚕や植物。色、植物、光合成、光、地球…。図式は微生物や大気の単位まで繋がる。そして、時間軸は脈々とはるか昔まで、そして今ココから未来へとのびてゆく。植物の命から生まれる色は、やさしく繊細に輝く。まさに光の色である。カテゴリーを越えた芸術世界に傾倒する者として、この祝祭的なプロジェクト「hikariwomatou」の誕生に大いに共感する。京都、名古屋、東京と続き、世界の多くの方と共感できれば幸いなことであると今からワクワクしている。

Gallery NAO MASAKI

正木なお

 「日本の美意識が通底する新しい服の創造」をコンセプトにした服飾ブランド。2005年に設立。東京コレクションや美術館での展覧会を通して歴史や美意識、伝統技術などを現代的に昇華した作品を発表。現代日本を代表するブランドの一つとして国内や海外のメディアから高い評価を受けている。

 志村ふくみの芸術精神を継承した染織ブランド。志村昌司を中心とした次世代の作り手によて、植物の色彩世界を伝えていきたいという想いから2016年に設立。 京都・嵯峨野の工房で、すべて根や枝、葉など植物の生命で染め、手機で織り上げている。

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