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vol.148

堀尾昭子

Akiko Horio

「​日々の芸術 The Ordinary Art」

2023.8.26(土) - 9.10(日)

Open : 13:00 - 19:00

Closed : 火曜・水曜

1937年に徳島県徳島市に生まれ、本年86歳を迎える現代美術家・堀尾昭子は2021年、兵庫県、西脇市岡之山美術館にて開催された「堀尾昭子の現在」展を皮切りに、昨年の森美術館での『地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング』展、本年は豊田市美術館のコレクション展「枠と波」で紹介されるなど、近年のその活動と存在が注目を浴びています。

 

太平洋戦争の戦中戦後時代に多感な少女時代を体験、1962年25歳より美術制作を始め、具体美術協会会員[1968年~1972年解散]として活動を続けた後、今日も作品を制作し続ける堀尾昭子の、小さなアトリエの中で、内省的に作られる世界は、丁寧に自身の感覚をみつめ、時を重ね、アーティストの感覚に叶う瞬間まで儀式のように続けられます。小さな作品になると小指サイズほどですが、ひと度、空間に配されると、周り全体を取り込む深さと広がりをもちます。

 

紙や包装容器、木片、アクリル片など身近な素材を用いることの多い堀尾昭子の作品は、そこに無限に重なりゆく色や影など多重な世界を映し出します。あたかも我々の生きている日常の世界が、無限の可能性と審美を秘めた世界であったことを気づかせてくれるように、見るものに新鮮な視点と感動を与えます。昨年に引き続き、アーティスト堀尾昭子の世界をご紹介させていただけますことを心より嬉しく思います。

 

Gallery NAO MASAKI 正木なお

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 『私が作品をつくるのは、まず自分のためです。目と手で自分のみたい”もの”をつくります。出来れば、つよく、深く、私なりの美しい”もの”を作りたいと願っています。雑草に美しい花が咲いているのを見るたびに、こんな風につくりたいと思います。私の作品についてよく言われる、シンプル、単純さをしいて目指しているのではなくて、線そのもの、色彩そのもの、素材でもって私の「世界を組む」ことを試みていると、自然にこのような形になりました。』

(「堀尾昭子の現在」展/西脇市岡之山美術館・堀尾昭子インタビューより抜粋)

堀尾昭子

Akiko Horio

1937年、徳島市に生れる。1959年、徳島大学医学部付属高等看護学校を卒業。看護師として徳島大学医学部付属病院に、次いで兵庫県ガンセンターに勤務する。1962年頃から作品制作を始め、1967年「具体新人展」に出品、翌1968年に〈具体美術協会〉会員となる。1970年〈芦屋市美術協会〉会員となる。1972年の〈具体〉解散後も、大阪の信濃橋画廊ほかでの個展や、京阪神のグループ展を中心に活動。木や紙、鏡のほか、一本の針金や、ペンで引かれた一本の線など、身の回りの素材の組み合わせで光の反射や陰影の効果をとらえた作品を展開した。後年は動物福祉にも力を注ぎ、1988年「動物実験の廃止を求める会(JAVA)」、1995-2013年 「地球生物会議」兵庫支部代表として活動。

2019年、「堀尾貞治・昭子の世界」展を神戸わたくし美術館にて開催。

2021年、西脇市岡之山美術館にて「堀尾昭子の現在」展開催。

2022年6月末より開催の森美術館での「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」展に参加。

 

主要展覧会

1999 静謐の美 _芦屋市立美術博物館

2000 芦屋の美術 _芦屋市立美術博物館

2003 ワレモノ注意_芦屋市立美術博物館

2004 「具体」回顧展_ 兵庫県立美術館

2005 前衛の女性 1950-1975_栃木県立美術館

2012 「具体」-ニッポンの前衛 18 年の軌跡 _ 国立新美術館

2020 「芦屋の時間」大コレクション展_ 芦屋市立美術博物館

2021 「今こそGUTAI」県美の具体コレクション_兵庫県立美術館

2021 「堀尾昭子の現在」- 兵庫県西脇市岡之山美術館

2022 「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」_ 森美術館

2023「枠と波」_豊田市美術館

他、個展、グループ展多数

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